蛇の目傘を五感で楽しみつくそう!
五感で楽しむ!蛇の目傘
雨の日用の和傘は、おもに2種類。「番傘」と「蛇の目傘」です。
「蛇の目傘」は「番傘」に比べて華やかなイメージがあります。
色とりどりの和紙、糸かがりなど、花開くような美が楽しい和傘 ── 蛇の目傘を、五感で楽しむポイントをご紹介します!
番傘についてはこちらの記事をチェック!
1. 目で楽しむ
和傘にはさまざまな紙の張り方があり、さらに和紙の組み合わせが違うだけで印象が変わります。
色鮮やかな和紙に防水用の油をコーティングしています。油の効果で、和紙に透け感が生まれます。
光がふわっと通る鮮やかな和紙の色が、目を楽しませてくれるはず。
また、油の酸化により和紙全体が徐々に黄色みを帯びていきます。経年変化もぜひお楽しみください。
糸かがりも美しさのポイント。傘がこれ以上開かないように補強の意味でかがられている糸ですが、装飾としても細やかで魅了されます。
岐阜和傘の伝統色である黄色や、和紙や傘の雰囲気に合わせた糸の色など、職人のさりげないこだわりを見ると楽しくなります。
2. 耳で楽しむ
蛇の目傘の楽しみといえば、なんといっても雨の日!
雨の日にしか出会えない優しい音が聞こえてきます。
和紙に雨が当たるぱらん、ぱらんという心地良く温かみのある音。洋傘とはまた違う、和紙で作られた和傘ならではの雨の日のご褒美。
雨の強さによっても音が変わるので、それが聞きたくてわざわざ外へ出てしまいます。
また、和傘を開閉する時の音も耳を澄まして聞いて欲しいポイント。
傘を開く時のハジキ(止具)の音、和傘を開閉する際の和紙の音…。ハジキは金属や木など種類によっても音が違うので、ぜひ聞き比べてお気に入りの音を見つけてみてください。
3. 匂いで楽しむ(油の香り)
和紙に引く油は、エゴマ油・アマニ油・桐油といった乾性油(空気中の酸素と反応して乾燥・硬化する油)をブレンドして使用されています。
和傘問屋さんや職人さんによって傘から香る油の香りが違うのもまた個性。
ご来店されるお客様の中には入店してすぐ、雨傘(蛇の目傘・番傘)特有の香りに気付く方もいらっしゃいます。油の匂いは雨の日に使用していくと新品の時よりは落ち着いていきます。
4. 感触で楽しむ
岐阜和傘の特徴は、閉じた時の細く美しい上品な佇まい。その手触りが4つめのおすすめです。
特に蛇の目傘は女性が片手で十分に持つことのできる細さです。岐阜の地域性、生産規模の大きさなど様々な条件が揃っていたからこそ生まれたものだと感じます。
また、傘骨の上に仕上げとして施されるカシュー漆の、つるりとした手触りもポイント。
初めて閉じた和傘を持った時、手にフィットする感覚がほかにたとえようのない心地だったことを今でも覚えています。
細い骨が綺麗にまとまり、カシュー漆の塗装が艶やかで、思わず撫でたくなります。
まとめ
蛇の目傘を楽しむポイントをご紹介してきました。目、耳、匂い、感触…。五感で楽しめる魅力が和傘にはあります。
蛇の目傘が差したくて雨の日が待ち遠しい、そんな日常を送ってみませんか?
和服でも洋服でもその日の気分によってお気に入りの和傘をさして、自分だけの特別な空間に。
和傘の楽しみ方は他にもいろいろ!
こちらの記事でもご紹介しているのでぜひご覧ください。