おしゃれに夏を楽しむ!和日傘の魅力
日傘として和傘を取り入れるススメ
夏の暑い日に、和傘を日傘として使い、涼しく快適に過ごしましょう!和傘の日傘は、日差しや眩しさから身を守り、さらにおしゃれのアクセントとしても活躍します。軽いので、和傘初心者さんにおすすめ。 「雨用の和傘は、日傘として使える?」「日傘用の和傘はどう違う?」など、日傘の疑問、使い方や魅力、注意点をご紹介します。
1. 日傘をさすメリット
最近は、猛暑や日焼け対策として日傘をさす人が増えています。ウェザーニュースの調査によれば、日傘を持っている人は全国平均で33%に達し、女性の所有率は8割近く、男性も1割にのぼるそうです。
和傘・洋傘にかかわらず、日傘をさすことで以下のメリットがあります。
- 日焼けから肌を守る
- 眩しさから目を守る
- 暑さから身を守る
近年は和傘・洋傘ともにデザイン性に富んだ日傘も多くファッションの一部として楽しむことができます。
もともと、傘の歴史は日傘からはじまっています。
夏のお出かけ、とくに着物での外出に、和傘の日傘があるととても便利です。
2. 「日傘」として使える和傘の特徴
和傘は晴雨兼用ではなく、用途に合わせて使い分ける必要があります。
●雨傘タイプの和傘と日傘タイプの和傘の違い
一般的な雨用和傘は、雨をはじくための油を塗装しており、半透明の風合いが特徴です。
内側から見てもステンドグラスを見上げたように美しい半面、光を透過しているわけですから、遮光としては弱くなります。
結婚式や七五三などのモデル撮影に日傘としてお使いいただくにはとてもきれいなのですが、顔に傘の色がくっきりとうつりこむので、斜め後ろに傾けるなどして工夫が必要になります。
また直射日光に長く当たると、塗布してある油の劣化が早まります。
一方、日傘として使われる和傘は油引きをしていません。日光を和紙がはじき、内側に影を落とします。多くの日傘では、内側と外側に紙が二重にはられ、遮光効果をだしています。
また、日傘用の和傘は軽量化されており、持ち運びがしやすい工夫がされています(一般的な和傘より骨や柄が短い・骨数が少ないなど。産地や職人によって違いはあります)。
コンパクトに収納できる「継柄」タイプの和日傘について、こちらで詳しくご紹介しています
●雨傘と日傘の簡単な見分け方
岐阜で作られる「岐阜和傘」の場合、傘の頭の部分を見ることで日傘かどうかの見分けができます。
- 蛇の目傘や番傘で防水のために被せる頭紙(かっぱ)が無い
- 天辺が平らな三角錘の特徴的な形をしている
↓日傘
↓雨傘(蛇の目傘)
3. 洋傘の日傘と和日傘の違い
洋傘と和傘の最大の違いはデザインです。和傘の日傘は直線的なシルエット。持つ人のファッションにシャープで粋な印象を与えてくれます。
柄が長めの和日傘は、着物の袖がまくれ上がるほどひじを上げて持たなくてもすむような伝統の知恵が生きています。
40本近い傘骨が使われ、繊細な美しさを楽しむことができます。また、天然素材で作られた和傘は、心地よい手触りが魅力です。
黒に近い濃い色の日傘を選んでいただくと、よりしっかり日を遮るので体感温度が涼しくなります。
4. 日傘タイプの和傘ならでは!3つの奥深い魅力
●内からも外からも、ほれぼれする美しさ
日傘タイプの和傘では、傘の外側と内側に紙を張る「二重張り(袋張り)」で作られているものが多くあります。
傘の外側と内側で、違った和紙をはることも多く、内と外の印象の違い、日に透けたときの陰影と、印象が3変化します。
幾何学的な糸かがりとあいまって、顔まわりに華やかさがそえられ、顔をパッと明るくひきたててくれます。
街路樹の下を歩くと、和紙を通して木漏れ日が移り変わって、風情たっぷり。
お出かけがますます楽しみになりそうです。
木漏れ日の動画↓
●文具女子・工芸好き男子をとりこにする、クラフト感
和傘の日傘は雨傘と違って雨水に濡れることがないので、繊細な模様の和紙やカラフルな染めの和紙が使用され、デザインのバリエーションも豊富です。
和紙の美しさを心ゆくまで楽しめるので「紙好き」さんにはたまりません。
●濡らさないから長持ち!コスパもうれしい和日傘
和傘の日傘は特別な手入れは必要なく、取り扱いに少し気を付けてもらえれば、価格の元がとれるほど長く使えます。
通常の雨用和傘は、撥水のために油を塗布します。長年の使用で、表面の油が酸化すると和紙が黄ばんだり、パリパリに割れたり、紙どうしがくっつくことがあります。
その点、日傘は油を塗っていないので、傘骨を破損しない限り、和紙の寿命が傘の寿命となります。正倉院で千数百年前の和紙が見つかっているほど、和紙の丈夫さは特筆すべきもの。
お気に入りの一本を長く使えるのは嬉しいことですよね。
5. 和傘の日傘を使用するときの注意点
和傘を日傘として使用する際は、以下の点に注意しましょう。
●雨水に濡らさない
万が一雨に濡れた場合は、和紙がくっついたりはがれたりしないように気をつけて開き、完全に乾かしてから収納しましょう。
●木の枝などに引っかけない
とくに着物でお出かけしていると、気を付けることがいっぱいで、傘のことがおろそかになりがち。不用意に軒先に下がったり、木の陰に入ったり、隣の人の傘に近づいたり…鋭利なものとぶつからないよう、お気を付けください。
万一穴が開いてしまった場合、小さな穴なら、ご自身で和紙のマスキングテープをはるなどして隠すのも手です。
●和傘の頭の部分を衝撃から守る。
和傘全般の注意点として、骨をまとめる頭の部分(ろくろ)が割れないよう、強い衝撃から守ってください。
とじたときに床につく部分は、洋傘とは逆の持ち手側です。運ぶ際には、傘が開かないように頭を上にしてください
おすすめは和日傘に対応した袋を使うこと。持ち運びの時、両手が使えて安心です。保管のときに、吊るしてかけておけますし、ちょっと脇に置きたいときもカバーがあれば汚れを防げます。
和傘袋の詳細はこちら
6. 使用後のお手入れ方法
普段の使用後は、特別なお手入れは必要ありません。
風通しの良い日陰に、頭を上にして立てて置くと良いでしょう。
週に一度は開いて適度に使う方が変化に気づきやすく、長持ちさせることができます。
見た目も涼やかな和傘で粋な夏に!
和傘の日傘は、涼やかで上品に夏を楽しむためのアイテムです。和の伝統美を感じて、おしゃれに夏を過ごしましょう!