和傘って修理できる?どれくらいもつの?
和傘を購入する際によくお尋ねされる項目として「どのくらいの年数使用出来るの?」「修理は出来る?」などがあります。
ここでは和傘CASAでご案内している修理についてや、ご購入いただきましたお客様から承った修理の事例をもとに写真付きでご紹介していきます!
「よくある質問」ページでも修理についての項目がありますので、こちらも合わせてご覧下さい。
どれぐらいの年数使えるのか
ご使用になられる方により使用頻度や保管方法は様々なため、使用年数のお伝えはとても難しいのです。実際に愛用されている方からお話しを聞くと5年前後使用されている方が多いのかなと感じますが、あくまで一つの例。
使う頻度や使い方によるため一概に何年という目安はありませんが、5年、10年と使われている方もいらっしゃいます。丁寧にお使いいただき、寿命を長くしていただければ、実用性の高いものとなります。
修理を依頼する前に…
修理を承る際に詳細をお伺いしております。
頂き物や譲り物は産地不明な場合も多くありますので、ご存知の範囲で教えていただけますと幸いです。
・和傘自体どれぐらいの年数が経っているのか
・修理したい箇所(和紙、傘骨の欠け、糸ほつれ、かっぱ、籐巻etc.)
・現在どのような状態なのか(和紙が破れている、骨と骨のつなぎ目が欠けているなど)
・上記の状態になった経緯(自然に、落とした、風に煽られたetc.)
・作られた産地や購入場所など(岐阜、京都、金沢など全国様々あります)
和紙修理について
蛇の目傘や番傘の雨傘は、経年変化で和紙全体が黄色みを帯びていきます。(劣化ではありません)
それと共に和紙自体も油を含んでいるため年数が経つと徐々に硬化していき、自ずと破れが出てきます。一番現れやすいのが、和紙の折り目や骨際、軒部分などです。
●和紙の修理
穴を埋める程度であれば、継ぎはぎになりますがお直し可能な範囲です。
しかし、修理をすることにより傘の機能が制限されてしまう可能性がある場合もございます。職人に確認し状態に合わせた修理内容をご案内しておりますため、予めご了承くださいませ。
●和傘の張り替えについて
和紙すべてを張り替えする場合、全て解体してイチから作り直すため、お値段が新品のものよりもかかります。
またご購入から約20年以上経過している和傘は、竹骨も劣化して耐久性が落ちている可能性が高く、修復作業中に破損するリスクもあります。
状態によっては職人が修理依頼をお断りする場合がございます。
その他の修理箇所
●傘骨繋ぎ目(メカケ)
親骨と小骨の接続部分は、親骨の竹の節目を活用&小骨の先端を少し割いて繋ぎ作られています。
開閉時に稼働し負荷がかかる為、骨が欠けたり割れたりしやすい箇所にもなります。
もし竹骨が節から外れてしまった場合は和紙破れにも繋がります。
状態を確認し、お直し可否のご案内をしております。
●かがり糸(糸かがり)
蛇の目傘や日傘内側の糸かがりもお直し可能な範囲です。
傘の補強の意味としても使用されているかがり糸は、劣化すると切れやすくなります。
糸が切れたら傘が開きすぎてしまうから早く直さなきゃ…!と焦らなくても大丈夫ですが、見栄え的に糸がぷらんと垂れ下がってしまうのは気になるもの。
糸かがりを直す際は全ての糸を一旦抜いてかけ直すことも。
糸は竹骨に開いた穴に、針を使って通していきます。糸を通したときに耐えうる骨の強度が必要となりますので、年数の経っている和傘はお直しが難しい場合もございます。
(糸を通した際の反動で骨が折れてしまうリスクが伴います)
まとめ
今回は和傘の修理についてご紹介してきました。
和傘は木、竹、和紙など天然素材を使用し作られており、修理依頼としてお問い合わせいただく内容は様々。
修理依頼を受けました和傘は、製作されている職人さんへ確認を行い修理可否、納期、金額等のご案内をしております。(産地が異なる和傘はご対応が難しい場合もございます。)
修理には時間を要します為、ご理解いただけますと幸いです。